院内処方の功罪
2017.10.04
現在は小規模病院、クリニックであれば院外処方が常識となっていますが、今でも院内処方を通しておられるクリニックはあるようです.
院内処方は確かに、患者さまが同じ窓口で薬を受け取って帰れる、という点で非常に都合が良いです.
しかし、その裏の事情はどうか.想像してみていただければ容易に理解できるわけですが、そのクリニックが在庫として持っている薬を掃いていかないといけないので、勢い処方に偏りが生じます.他の薬の方が良いと分かっていても、在庫薬を出すことになります.副次作用として、他の薬の良い点を知る機会、処方する機会が減り、その医師の知識、経験量も落ちやすいことになります.
現在は、例えば高血圧の薬なぞ、数十種類、それも一種類の薬に5mg、10mg、20mgなど容量が複数存在します.おまけにジェネリック薬品もたくさんあります.
これらすべてを一クリニックが在庫として持つということは不可能です.
院内処方の光と影を理解して賢く病院選びをしてほしいものです.