当院では血液検査で癌にかかっているかどうか検査いたします
2017.11.09
最新の血液検査で、
男性は“胃がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、前立腺がん”の5種類
女性は“胃がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、乳がん、子宮・卵巣がん”の6種類
の癌腫罹患の確度をお調べします.
1. 25~90歳の日本人.
2. 妊婦さんはできません.
3. 食後8時間以上あけて、午前中に約5ml採血します.
4. 朝、アミノ酸サプリメント、アミノ酸含有スポーツ飲料、アミノ酸製剤、牛乳、ジュースなどは控えてください.
特殊な試験管が必要です.あらかじめ予約をしてください.
値段は25,000円です.保険は効きません.
詳しくは電話でお問い合わせください.
男性は“胃がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、前立腺がん”の5種類
女性は“胃がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、乳がん、子宮・卵巣がん”の6種類
の癌腫罹患の確度をお調べします.
1. 25~90歳の日本人.
2. 妊婦さんはできません.
3. 食後8時間以上あけて、午前中に約5ml採血します.
4. 朝、アミノ酸サプリメント、アミノ酸含有スポーツ飲料、アミノ酸製剤、牛乳、ジュースなどは控えてください.
特殊な試験管が必要です.あらかじめ予約をしてください.
値段は25,000円です.保険は効きません.
詳しくは電話でお問い合わせください.
インフルエンザワクチン打ちました
2017.10.28
慢性関節リウマチのお薬
2017.10.26
患者さまの中に自分が飲んでいる薬の位置づけを教えてほしい、という方が複数おられます.
一生付き合っていく病に対し、きちんと知識を入れておきたいというニーズは大変理解できます.
ここに“お薬110番”という有名な薬剤情報サイトから引用して貼り付けておきます.
そのページにおいてもこのように一気に一覧できるようになっていないので、より整理する一助になろうかと思います.
ご参考にされてください.
▼ 鎮痛消炎薬(NSAID)
※ロキソニン、ボルタレン/サポ、インテバン坐剤、インフリー、モービック、オステラック、ハイペン、ペオン、ソレトン、ナイキサン、スルガム、フルカム、ロルカム、セレコックスなど多数。
関節リウマチの目先の症状をやわらげるために、まず鎮痛薬が処方されることが多いです。鎮痛作用とともに抗炎症作用の強い鎮痛消炎薬(NSAID)が向いています。飲み薬のほか、坐薬を用いることもあります。胃を荒らすことがありますから、飲み薬は多めの水で飲むようにしてください。長期使用時は、肝機能や腎臓の検査、また胃の定期検診を受けるとよいでしょう。
▼ステロイド薬(内用)
※プレドニン、プレドニゾロン、レダコート、メドロール、パラメゾン、リンデロン、デカドロン
ステロイドには強力な抗炎症作用があり、症状の緩和とともに関節破壊の抑制効果が認められています。しかも速効性で翌日の効果が期待できるので、とくに初期治療薬として有用です。その一方で、特有な副作用と、長期服用における効果減弱が問題となります。少量の服用で済むことが多いのですが、内臓に病変がみられる場合は多めになることがあります。長期大量服用時は、副作用の発現に十分な注意が必要です。また、急に中止すると思わぬ反発症状があらわれますので、自分だけの判断でやめてはいけません。事前に医師から副作用や注意点についてよく説明を受けておくとよいでしょう。
▼ステロイド薬(外用)
※ファルネゾン
関節リウマチの治療薬として開発された塗るステロイド薬です。皮膚から吸収されたステロイドが関節に移行し抗炎症作用を発揮します。指や手首など小関節の炎症にある程度有効です。
<メモ>
· リウマチの原因ははっきり分かっていませんが、体の免疫系がかかわっていると考えられています。一般に進行性で、関節や筋肉に強い炎症を生じ、腫れや痛みを伴ないます。そして問題なのは、関節が変形してしまうと、もと通りに治らなくなってしまうことです。治療上の重要ポイントは、そのような関節破壊をいかに阻止するかです。
· 鎮痛薬は、対症療法的に痛みや腫れをやわらげますが、関節の破壊を止めることはできません。そのため、痛みや炎症がひどいときだけ応急的に使用したり、抗リウマチ薬の効果がでるまでの橋渡し役として併用します。原則的には次項の抗リウマチ薬による治療を優先し、できるだけ短期間にとどめるほうが好ましいです。
▼免疫調節薬-1
※メタルカプターゼ、リマチル、アザルフィジンEN、コルベット、ケアラム
軽症から中等度の関節リウマチに向く抗リウマチ薬です。詳しい作用機序はわかっていませんが、免疫系を調整し、関節の炎症や痛みをしずめます。一般的な鎮痛薬と違うのは、関節の破壊を防ぐ可能性がある点です。ただし、鎮痛薬やステロイド薬と比べ、効果の発現が遅く、また効き方に個人差があります。4カ月以上続けても効果がないのなら、別の抗リウマチ薬に切り替えなければなりません。
メタルカプターゼは金属解毒薬として古くからある薬剤です。その後、免疫調節作用があることがわかり、抗リウマチ薬として適応を拡大しています。効果が高く、3人に2人くらいの割合で有効です。副作用がやや多いのが難点で、発疹がでやすく、ときに腎障害を起こします。リマチルは、メタルカプターゼを改良した薬剤で、少し副作用が軽減されているようです。
アザルフィジンENは、サラゾスルファピリジンを有効成分とする腸溶性製剤として開発されました。もともと、潰瘍性大腸炎の治療に用いられていましたが、関節リウマチに対しても よい効果を示します。よく効く人の割合は、半分くらいです。副作用として、発疹がよくみられ、まれに肝障害をともなうことがあります。尿が橙色になるのは、薬の色なので心配いりません。
新薬のコルベットとケアラムは国産の抗リウマチ薬です。アザルフィジンと同等の有効性が示され、また標準薬のリウマトレックス(次項)との併用効果が認められています。処方の対象となるのは、発症早期で症状が比較的軽い場合です。またリウマトレックスが副作用で使用できない場合の代替薬として、あるいはリウマトレックス単独で効果不十分な患者さんに追加併用することもできます。
▼免疫調節薬-2
※オーラノフィン(リドーラ)、オークル、モーバー、カルフェニール、ミノマイシン
オーラノフィンは金を含有する金製剤です。関節の炎症部位に蓄積された金が免疫系に作用し、腫れをしずめます。飲み薬よりも効果が高い注射薬の金製剤もあります(別項)。オークルとモーバー、カルフェニールは日本で開発された抗リウマチ薬です。どれも作用がゆるく、効果もゆっくりです。副作用が少ない点は安心ですが、実感できるほどの効果はあまり期待できないかもしれません。このため、重症例ではなく、早期のごく軽い症状に向きます。
ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質に分類されますが、本来の抗菌作用とは別に免疫系に対する作用を持ちあわせています。この作用にもとづく特殊な用法として、関節リウマチの治療に応用されることがあります。とくに、他の抗リウマチ薬による肺障害の副作用が心配されるときなど有用です。比較的少量を長期に用いることになります。長期使用時の特異な副作用として、手足に色素沈着があらわれることがあります。
<メモ>
· 維持療法として重要なのが抗リウマチ薬の部類です。専門的に疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)と呼ばれ、これには上記の免疫調節薬と次項の免疫抑制薬が含まれます。炎症を引き起こす異常な免疫機能を正常化し、炎症をしずめることで腫れや痛みをやわらげる薬剤です。このうち免疫調整薬の仲間は、正常の免疫能には影響することなく抗リウマチ作用を発揮します。リウマトレックスなど すべての免疫機能を非特異的に抑制する免疫抑制薬とは異なり、感染症の心配もまずありません。
· 抗リウマチ薬は、全般に遅効性でゆっくりと効くのが特徴的です。十分な効果が得られるまでに1~4ヶ月かかることがあります。また、すべての人に有効というわけではありません。劇的に効く人もいれば、逆にまったく効果がないことがあります。長く飲んでも効果がない場合は、漫然と続けないで、他の薬に切り替える必要があります。
▼免疫抑制薬-1
※リウマトレックス
関節リウマチの世界的な標準薬です。主成分のメトトレキサートは、葉酸代謝拮抗薬の抗がん薬として白血病などに古くから使用されてきましたが、比較的少量で免疫抑制作用を発揮することから、関節リウマチの治療に広く用いられるようになりました。リウマトレックスは、99年に関節リウマチを効能として新たに認可された関節リウマチの専門薬です。
有効率が高く、はっきりとした効果が1~2カ月であらわれます。重症の患者さんでも半分以上の人に効果(ACR20)がみられ、2割くらいはほぼ寛解(ACR70)します。関節の炎症をしずめるだけでなく、骨の破壊をくい止めることもできるのです。従来の抗リウマチ薬が効かない重症例に向きますが、最近では関節破壊を阻止する意味合いから早期使用されることが多くなりました。ただし、副作用のリスクをともないますので、専門医の指導のもと、正しく使用する必要があります。
飲み方が変則的になるので、決められた服薬日、服用時間、休薬日を守り、正確に服用することが大事です。飲み方を誤ると、副作用がでやすくなります。副作用には、吐き気、食欲不振、口内炎、感染症などあります。そのほか、腎臓や肝臓が悪くなったり、血液が異常になることがあります。まれですが、薬剤性の肺炎を起こすこともあります。発熱、空咳、息切れなどがみられたら、すぐに受診してください。副作用の予防に葉酸というビタミン剤(フォリアミン)を併用することがあります。
▼免疫抑制薬-2
※アラバ
こちらも、関節リウマチの専門薬です。比較的速効性で、リウマトレックスと同等の治療効果が期待できます。病状を改善するとともに、関節破壊をおさえ進行を遅らせることができます。反面、いろいろな副作用がでやすいのが欠点です。とくに日本人においては間質性肺炎が多くみられ、ときに重症化します。医師の指導のもと、安全性に配慮しながら慎重に用いなければなりません。
▼免疫抑制薬-3
※ブレディニン、プログラフ、ネオーラル、イムラン、アザニン、エンドキサン
他の抗リウマチ薬でよい効果がえられない場合に用いることがあります。免疫系の亢進状態をおさえて、関節の炎症をしずめます。効き目がよい反面、感染症など副作用の発現に注意が必要です。発熱がみられた場合は、医師と連絡をとり早めに受診してください。[参:膠原病の薬-2]
<メモ>
· 関節リウマチの治療目標は、関節の破壊をおさえ その機能を維持すること、さらには生命予後を改善することです。このために、ごく早期からリウマトレックスやアラバなど強力な抗リウマチ薬(免疫調節薬、免疫抑制薬)による治療がおこなわれるようになりました。さらに、これらで効果不十分な場合には、次項の生物学的製剤(注射)を用いることになります。
· 関節リウマチを完全に治せる薬はまだありません。このため、抗リウマチ薬を長期間使用することになります。有益性と副作用について正しく理解したうえで、薬と上手につきあっていってください。きちんと治療を続ければ、病気の進行を止めたり遅らせることが十分可能です。
▼JAK阻害薬
※ゼルヤンツ
分子標的薬の抗リウマチ薬です。JAK(ヤヌスキナーゼ)という酵素を標的とし、これを阻害することで抗炎症作用を発揮します。特徴的なのは、細胞内でJAK経路を阻害することで複数の炎症性サイトカイン(IL、IFN)のシグナル伝達を阻害することです。その効果は生物学的製剤の注射薬に匹敵し、さらに骨破壊の防止効果も期待できます。注射でしか投与できない生物学的製剤と異なり、内服できることも利点です。単独で用いるほか、リウマトレックスなど他の抗リウマチ薬(DMARDs)との併用療法も可能です。
期待の新薬ですが、広範な免疫抑制・抗炎症作用の裏返しとして、重い感染症を誘発する危険性があり、また発がんリスクについても否定できません。飲み薬といっても敷居が低いわけではなく、むしろ最後の切り札です。はじめから使うのではなく、リウマトレックスをはじめとする既存薬が無効な場合の最終的な選択肢とするわけです。安全性が十分確認されるまで、当分は緊急時に対応できる医療施設で専門医により慎重に処方されることになります。
▼生物学的製剤(注射)
※レミケード、エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジア、アクテムラ、オレンシア
生物学的製剤は、分子生物学の理論にもとづき設計され、また遺伝子工学を用いて製造される最先端の注射薬です。炎症にかかわるサイトカイン(TNFα、IL-6)もしくはT細胞をおさえることで強力な抗リウマチ作用を発揮します。比較的速効性で、有効率も高いです。ふつう、リウマトレックスなど飲み薬だけでは効果不十分な場合にプラスして注射します。レミケードは点滴静注、エンブレルやヒュミラは自己皮下注射が可能です。注射の間隔は製剤により異なり、1週間に1~2回から数週間に1回程度です。レミケードは、徐々に間隔を伸ばし、最終的に2カ月に1回の点滴で済みます。
非常に優れた治療効果が得られますが、よい話ばかりではありません。その強力な作用と裏腹に、命にかかわるような重い副作用があらわれることがあるのです。なかでも、結核をはじめとするさまざまな感染症に十分な注意が必要です。さらにはリンパ腫など悪性腫瘍の発現も否定できません。また、効果が高いとはいえ、決して根治的治療法とはいえず、やめれば再燃する可能性が高いです。関節リウマチでは長期にわたる治療が必要になるわけですが、その場合の有効性や安全性についても、まだよく分かっていません。注射でしか投与できないこと、かなり高額になってしまう点も難点です。いずれにしても、緊急時に十分対応できる医療施設で、専門の医師のもと慎重に使用する必要があります。
▼金製剤(注射)
※シオゾール
シオゾール注による金療法は、古くからの治療法です。関節の炎症部位に金が蓄積し、これが免疫系に作用し炎症をしずめます。少量の筋肉内注射ではじめ、副作用に注意しながら徐々に増量していきます。注射の間隔は1~2週間に1度です。多くの人に有効ですが、効いてくるのにかなりの時間を要します。副作用で一番多いのは、かゆみや発疹など皮膚症状です。そのほか、口内炎、腎障害、間質性肺炎などを起こすことがあります。最近は、生物学的製剤など効果に勝る新しい治療薬に処方が移り、使用される機会は少なくなりました。
<メモ>
· 関節リウマチの治療は、この十数年でずいぶん変わりました。鎮痛薬やステロイド薬による対症療法から、リウマトレックスに代表されるリウマチ専門薬(DMARDs)による治療が早期からおこなわれるようになり、治療成績の向上につながっています。さらに、効果不十分な場合に導入されるのが生物学的製剤です。これらの強力な治療法により、関節破壊の阻止が十分可能となりました。
一生付き合っていく病に対し、きちんと知識を入れておきたいというニーズは大変理解できます.
ここに“お薬110番”という有名な薬剤情報サイトから引用して貼り付けておきます.
そのページにおいてもこのように一気に一覧できるようになっていないので、より整理する一助になろうかと思います.
ご参考にされてください.
▼ 鎮痛消炎薬(NSAID)
※ロキソニン、ボルタレン/サポ、インテバン坐剤、インフリー、モービック、オステラック、ハイペン、ペオン、ソレトン、ナイキサン、スルガム、フルカム、ロルカム、セレコックスなど多数。
関節リウマチの目先の症状をやわらげるために、まず鎮痛薬が処方されることが多いです。鎮痛作用とともに抗炎症作用の強い鎮痛消炎薬(NSAID)が向いています。飲み薬のほか、坐薬を用いることもあります。胃を荒らすことがありますから、飲み薬は多めの水で飲むようにしてください。長期使用時は、肝機能や腎臓の検査、また胃の定期検診を受けるとよいでしょう。
▼ステロイド薬(内用)
※プレドニン、プレドニゾロン、レダコート、メドロール、パラメゾン、リンデロン、デカドロン
ステロイドには強力な抗炎症作用があり、症状の緩和とともに関節破壊の抑制効果が認められています。しかも速効性で翌日の効果が期待できるので、とくに初期治療薬として有用です。その一方で、特有な副作用と、長期服用における効果減弱が問題となります。少量の服用で済むことが多いのですが、内臓に病変がみられる場合は多めになることがあります。長期大量服用時は、副作用の発現に十分な注意が必要です。また、急に中止すると思わぬ反発症状があらわれますので、自分だけの判断でやめてはいけません。事前に医師から副作用や注意点についてよく説明を受けておくとよいでしょう。
▼ステロイド薬(外用)
※ファルネゾン
関節リウマチの治療薬として開発された塗るステロイド薬です。皮膚から吸収されたステロイドが関節に移行し抗炎症作用を発揮します。指や手首など小関節の炎症にある程度有効です。
<メモ>
· リウマチの原因ははっきり分かっていませんが、体の免疫系がかかわっていると考えられています。一般に進行性で、関節や筋肉に強い炎症を生じ、腫れや痛みを伴ないます。そして問題なのは、関節が変形してしまうと、もと通りに治らなくなってしまうことです。治療上の重要ポイントは、そのような関節破壊をいかに阻止するかです。
· 鎮痛薬は、対症療法的に痛みや腫れをやわらげますが、関節の破壊を止めることはできません。そのため、痛みや炎症がひどいときだけ応急的に使用したり、抗リウマチ薬の効果がでるまでの橋渡し役として併用します。原則的には次項の抗リウマチ薬による治療を優先し、できるだけ短期間にとどめるほうが好ましいです。
▼免疫調節薬-1
※メタルカプターゼ、リマチル、アザルフィジンEN、コルベット、ケアラム
軽症から中等度の関節リウマチに向く抗リウマチ薬です。詳しい作用機序はわかっていませんが、免疫系を調整し、関節の炎症や痛みをしずめます。一般的な鎮痛薬と違うのは、関節の破壊を防ぐ可能性がある点です。ただし、鎮痛薬やステロイド薬と比べ、効果の発現が遅く、また効き方に個人差があります。4カ月以上続けても効果がないのなら、別の抗リウマチ薬に切り替えなければなりません。
メタルカプターゼは金属解毒薬として古くからある薬剤です。その後、免疫調節作用があることがわかり、抗リウマチ薬として適応を拡大しています。効果が高く、3人に2人くらいの割合で有効です。副作用がやや多いのが難点で、発疹がでやすく、ときに腎障害を起こします。リマチルは、メタルカプターゼを改良した薬剤で、少し副作用が軽減されているようです。
アザルフィジンENは、サラゾスルファピリジンを有効成分とする腸溶性製剤として開発されました。もともと、潰瘍性大腸炎の治療に用いられていましたが、関節リウマチに対しても よい効果を示します。よく効く人の割合は、半分くらいです。副作用として、発疹がよくみられ、まれに肝障害をともなうことがあります。尿が橙色になるのは、薬の色なので心配いりません。
新薬のコルベットとケアラムは国産の抗リウマチ薬です。アザルフィジンと同等の有効性が示され、また標準薬のリウマトレックス(次項)との併用効果が認められています。処方の対象となるのは、発症早期で症状が比較的軽い場合です。またリウマトレックスが副作用で使用できない場合の代替薬として、あるいはリウマトレックス単独で効果不十分な患者さんに追加併用することもできます。
▼免疫調節薬-2
※オーラノフィン(リドーラ)、オークル、モーバー、カルフェニール、ミノマイシン
オーラノフィンは金を含有する金製剤です。関節の炎症部位に蓄積された金が免疫系に作用し、腫れをしずめます。飲み薬よりも効果が高い注射薬の金製剤もあります(別項)。オークルとモーバー、カルフェニールは日本で開発された抗リウマチ薬です。どれも作用がゆるく、効果もゆっくりです。副作用が少ない点は安心ですが、実感できるほどの効果はあまり期待できないかもしれません。このため、重症例ではなく、早期のごく軽い症状に向きます。
ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質に分類されますが、本来の抗菌作用とは別に免疫系に対する作用を持ちあわせています。この作用にもとづく特殊な用法として、関節リウマチの治療に応用されることがあります。とくに、他の抗リウマチ薬による肺障害の副作用が心配されるときなど有用です。比較的少量を長期に用いることになります。長期使用時の特異な副作用として、手足に色素沈着があらわれることがあります。
<メモ>
· 維持療法として重要なのが抗リウマチ薬の部類です。専門的に疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)と呼ばれ、これには上記の免疫調節薬と次項の免疫抑制薬が含まれます。炎症を引き起こす異常な免疫機能を正常化し、炎症をしずめることで腫れや痛みをやわらげる薬剤です。このうち免疫調整薬の仲間は、正常の免疫能には影響することなく抗リウマチ作用を発揮します。リウマトレックスなど すべての免疫機能を非特異的に抑制する免疫抑制薬とは異なり、感染症の心配もまずありません。
· 抗リウマチ薬は、全般に遅効性でゆっくりと効くのが特徴的です。十分な効果が得られるまでに1~4ヶ月かかることがあります。また、すべての人に有効というわけではありません。劇的に効く人もいれば、逆にまったく効果がないことがあります。長く飲んでも効果がない場合は、漫然と続けないで、他の薬に切り替える必要があります。
▼免疫抑制薬-1
※リウマトレックス
関節リウマチの世界的な標準薬です。主成分のメトトレキサートは、葉酸代謝拮抗薬の抗がん薬として白血病などに古くから使用されてきましたが、比較的少量で免疫抑制作用を発揮することから、関節リウマチの治療に広く用いられるようになりました。リウマトレックスは、99年に関節リウマチを効能として新たに認可された関節リウマチの専門薬です。
有効率が高く、はっきりとした効果が1~2カ月であらわれます。重症の患者さんでも半分以上の人に効果(ACR20)がみられ、2割くらいはほぼ寛解(ACR70)します。関節の炎症をしずめるだけでなく、骨の破壊をくい止めることもできるのです。従来の抗リウマチ薬が効かない重症例に向きますが、最近では関節破壊を阻止する意味合いから早期使用されることが多くなりました。ただし、副作用のリスクをともないますので、専門医の指導のもと、正しく使用する必要があります。
飲み方が変則的になるので、決められた服薬日、服用時間、休薬日を守り、正確に服用することが大事です。飲み方を誤ると、副作用がでやすくなります。副作用には、吐き気、食欲不振、口内炎、感染症などあります。そのほか、腎臓や肝臓が悪くなったり、血液が異常になることがあります。まれですが、薬剤性の肺炎を起こすこともあります。発熱、空咳、息切れなどがみられたら、すぐに受診してください。副作用の予防に葉酸というビタミン剤(フォリアミン)を併用することがあります。
▼免疫抑制薬-2
※アラバ
こちらも、関節リウマチの専門薬です。比較的速効性で、リウマトレックスと同等の治療効果が期待できます。病状を改善するとともに、関節破壊をおさえ進行を遅らせることができます。反面、いろいろな副作用がでやすいのが欠点です。とくに日本人においては間質性肺炎が多くみられ、ときに重症化します。医師の指導のもと、安全性に配慮しながら慎重に用いなければなりません。
▼免疫抑制薬-3
※ブレディニン、プログラフ、ネオーラル、イムラン、アザニン、エンドキサン
他の抗リウマチ薬でよい効果がえられない場合に用いることがあります。免疫系の亢進状態をおさえて、関節の炎症をしずめます。効き目がよい反面、感染症など副作用の発現に注意が必要です。発熱がみられた場合は、医師と連絡をとり早めに受診してください。[参:膠原病の薬-2]
<メモ>
· 関節リウマチの治療目標は、関節の破壊をおさえ その機能を維持すること、さらには生命予後を改善することです。このために、ごく早期からリウマトレックスやアラバなど強力な抗リウマチ薬(免疫調節薬、免疫抑制薬)による治療がおこなわれるようになりました。さらに、これらで効果不十分な場合には、次項の生物学的製剤(注射)を用いることになります。
· 関節リウマチを完全に治せる薬はまだありません。このため、抗リウマチ薬を長期間使用することになります。有益性と副作用について正しく理解したうえで、薬と上手につきあっていってください。きちんと治療を続ければ、病気の進行を止めたり遅らせることが十分可能です。
▼JAK阻害薬
※ゼルヤンツ
分子標的薬の抗リウマチ薬です。JAK(ヤヌスキナーゼ)という酵素を標的とし、これを阻害することで抗炎症作用を発揮します。特徴的なのは、細胞内でJAK経路を阻害することで複数の炎症性サイトカイン(IL、IFN)のシグナル伝達を阻害することです。その効果は生物学的製剤の注射薬に匹敵し、さらに骨破壊の防止効果も期待できます。注射でしか投与できない生物学的製剤と異なり、内服できることも利点です。単独で用いるほか、リウマトレックスなど他の抗リウマチ薬(DMARDs)との併用療法も可能です。
期待の新薬ですが、広範な免疫抑制・抗炎症作用の裏返しとして、重い感染症を誘発する危険性があり、また発がんリスクについても否定できません。飲み薬といっても敷居が低いわけではなく、むしろ最後の切り札です。はじめから使うのではなく、リウマトレックスをはじめとする既存薬が無効な場合の最終的な選択肢とするわけです。安全性が十分確認されるまで、当分は緊急時に対応できる医療施設で専門医により慎重に処方されることになります。
▼生物学的製剤(注射)
※レミケード、エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジア、アクテムラ、オレンシア
生物学的製剤は、分子生物学の理論にもとづき設計され、また遺伝子工学を用いて製造される最先端の注射薬です。炎症にかかわるサイトカイン(TNFα、IL-6)もしくはT細胞をおさえることで強力な抗リウマチ作用を発揮します。比較的速効性で、有効率も高いです。ふつう、リウマトレックスなど飲み薬だけでは効果不十分な場合にプラスして注射します。レミケードは点滴静注、エンブレルやヒュミラは自己皮下注射が可能です。注射の間隔は製剤により異なり、1週間に1~2回から数週間に1回程度です。レミケードは、徐々に間隔を伸ばし、最終的に2カ月に1回の点滴で済みます。
非常に優れた治療効果が得られますが、よい話ばかりではありません。その強力な作用と裏腹に、命にかかわるような重い副作用があらわれることがあるのです。なかでも、結核をはじめとするさまざまな感染症に十分な注意が必要です。さらにはリンパ腫など悪性腫瘍の発現も否定できません。また、効果が高いとはいえ、決して根治的治療法とはいえず、やめれば再燃する可能性が高いです。関節リウマチでは長期にわたる治療が必要になるわけですが、その場合の有効性や安全性についても、まだよく分かっていません。注射でしか投与できないこと、かなり高額になってしまう点も難点です。いずれにしても、緊急時に十分対応できる医療施設で、専門の医師のもと慎重に使用する必要があります。
▼金製剤(注射)
※シオゾール
シオゾール注による金療法は、古くからの治療法です。関節の炎症部位に金が蓄積し、これが免疫系に作用し炎症をしずめます。少量の筋肉内注射ではじめ、副作用に注意しながら徐々に増量していきます。注射の間隔は1~2週間に1度です。多くの人に有効ですが、効いてくるのにかなりの時間を要します。副作用で一番多いのは、かゆみや発疹など皮膚症状です。そのほか、口内炎、腎障害、間質性肺炎などを起こすことがあります。最近は、生物学的製剤など効果に勝る新しい治療薬に処方が移り、使用される機会は少なくなりました。
<メモ>
· 関節リウマチの治療は、この十数年でずいぶん変わりました。鎮痛薬やステロイド薬による対症療法から、リウマトレックスに代表されるリウマチ専門薬(DMARDs)による治療が早期からおこなわれるようになり、治療成績の向上につながっています。さらに、効果不十分な場合に導入されるのが生物学的製剤です。これらの強力な治療法により、関節破壊の阻止が十分可能となりました。
おたふくかぜによる難聴について
2017.10.05
院内処方の功罪
2017.10.04
現在は小規模病院、クリニックであれば院外処方が常識となっていますが、今でも院内処方を通しておられるクリニックはあるようです.
院内処方は確かに、患者さまが同じ窓口で薬を受け取って帰れる、という点で非常に都合が良いです.
しかし、その裏の事情はどうか.想像してみていただければ容易に理解できるわけですが、そのクリニックが在庫として持っている薬を掃いていかないといけないので、勢い処方に偏りが生じます.他の薬の方が良いと分かっていても、在庫薬を出すことになります.副次作用として、他の薬の良い点を知る機会、処方する機会が減り、その医師の知識、経験量も落ちやすいことになります.
現在は、例えば高血圧の薬なぞ、数十種類、それも一種類の薬に5mg、10mg、20mgなど容量が複数存在します.おまけにジェネリック薬品もたくさんあります.
これらすべてを一クリニックが在庫として持つということは不可能です.
院内処方の光と影を理解して賢く病院選びをしてほしいものです.